東日本大震災復興支援
門天プロジェクト

2012年4月24日火曜日

もんてんエネルギーシリーズ Vol. 1 報告


もんてんエネルギーシリーズ Vol.
 「ドイツの小さな町から学ぶ 市民のための電力会社のつくりかた
            ~未来のために、今、私たちができること~」 報告

日時 201247日(土)15001800  
会場 門仲天井ホール
企画 YU-EN (斎藤弘美・高田ゆみ子・岡部幸江)
主催 門仲天井ホール
支援先 未来の福島こども基金(http://fukushimachildrensfund.org/

「東日本大震災復興支援門天プロジェクト」の一環として開催した『みえない雲』の上映会(2/19)をきっかけに、4月から新たな「もんてんエネルギーシリーズ」がスタート。第1回はドイツのドキュメンタリー『シェーナウの想い』の上映と自然エネルギーについて考える会を開催しました。テーマは「エネルギーの地産地消・自給自足」。

『シェーナウの想い』はドイツ南西部の小さなまちシェーナウ市の住民グループが、チェルノブイリ原発事故をきっかけに、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでに至った軌跡を綴るドキュメンタリー映画(※1)。彼らの活動の中心になったのは、「子どもたちに自然エネルギー社会を」というお母さんたちの強い想いでした。上映後、前回この映画を紹介してくれた高田ゆみ子さんから、映画に登場するシェーナウの電力会社EWSとドイツのエネルギー事情についての補足説明がありました。それによりますと、EWS1998年の設立当初1700件だった契約数が20117月には115,000件にも増え、とくに福島第一原発事故後は2か月で1万件増加(※2)。また、地方分権が進んでいるドイツではチェルノブイリ以後、EWSだけでなく各地にこうした小規模な電力会社が設立されていて、今回の脱原発宣言もこうした状況があったからではないか、とのことでした。

つづいてこの映画の上映を各地で働きかけている岡部幸江さんが、日本各地で進んでいる自然エネルギーへの取り組みについて報告するとともに、今、私たちができる2つの方法(※3)を提案しました。岡部さんの報告から、日本国内でも様々な取り組みが行われていることを知り、認識を新たにしたところで、「日本で自然エネルギー社会をつくるために、私たちができること」をテーマに参加者が2つのグループに分かれてフリートークの時間を持ちました。様々な年代・地域・職業・立場の方々が参加したフリートークでは活発に意見が交わされ、それぞれに「想い」を持ち帰ることができました。
なお、参加者からの資料代とカンパで集まった18,860円は未来の福島こども基金に寄付させていただきました。

次回610日(日)の第2回は、中川誼美さんとドキュメンタリー映画「パワー・オブ・コミュニティ」を観て自然エネルギーについて考えます。ぜひ、ご来場ください!

※1 “Das Schönauer Gefühl”
『シェーナウの想い』-自然エネルギー社会を 子どもたちに-


製作:Fuss e.V. Der Förderverein für umweltfreundliche Stromverteilung und Energieerzeugung Schönau im Schwarzwald e.V.; シェーナウ・環境にやさしい電力供給のための支援団体
製作年:2008年  監督:フランク=ディーチェ / ヴェルナー=キーファー 


※2 EWSの公式HP  http://www.ews-schoenau.de/
   高田さんが紹介してくれたEWSの「原子力に反対する100個の十分な理由」は日本語でも読むことができます。 http://100-gute-gruende.de/pdf/g100rs_jp.pdf

※3 岡部さんが提案したのは… 電気をつくるもう一つの方法「ネガワット」
ネガワットとは「使われなかった電力」のこと。エネルギーの使い方を変えて、
「使われなかった電力」=「節電所」を建設しようという考え方です。

<<<  ~参考にしたい取り組み方法~  >>>

①「アンペアダウン・プロジェクト」 http://www.sloth.gr.jp/a-down/



  • 「アンペアダウン」とは、「各家庭のアンペア設定を1ランク下げよう」という提案のこと
  • 携帯電話の料金プランを変更するように、家族構成やライフスタイルの変化によっ て、アンペアも見直しをしてみる。
  • アンペアダウン(電力契約料を小さくする)は誰もが毎日の暮らしからはじめられる身近な取り組みです。


②「電気をカエル計画」 http://www.ekaeru.jpn.org/index.html

  • 節電がもっとも必要なのは、家庭よりも、夏・ピーク時の全体の約70%を占める産業用途(自治体含む)での節電
  • このうち、オフィスでは照明器具の消費電力が約30%、これが機器交換で半減できるなら、何も職場環境を変えずにオフィス全体の15%の節電が実現。
  • 回収前の機器によりますが、イニシャルコストの回収期間は1年から3年程度。
  • 「電気をカエル計画」は電気の仕組みを知り、家庭だけでなく自治体や企業にも効果的な節電の取り組みをしてくれるよう働きかけをしている市民の運動です。



もんてんエネルギーシリーズ 今後の予定 

610日(日)   
中川誼美さんとドキュメンタリー映画「The Power of Community」を観て、語る会
811日(土)   
ワークショップ「原発&エネルギーのことをこどもたちにどのように伝えるか」

                                       (文責 斎藤弘美)









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